2010年12月30日木曜日

悲報 上杉アンプ

遅ればせながら年賀状を書いていたら、哀しい知らせが届いた。上杉アンプの上杉佳郎さんの葬儀を記した奥様からの手紙だった。
タンノイのウエストミンスターを購入したとき、ショップで推薦されたのが上杉アンプだった。なんの変哲もない派手さのないアンプ。当時このアンプを知らなかった僕は、なぜお店のひとがそんなにも推薦するのかわからなかったが、家でエージングの一ヶ月が過ぎた頃からそのアンプのマッチングのよさがわかってきた。
タンノイのタンノイらしい、あたたかさが見事に奏でられるのだ。すっかりファンになった。
それから数年して、ご自宅を訪ねて取材をする機会をえた。きさくな方だった。大震災で大変な目にあったけれど・・といいながらもみせてくれた倉庫には、山積みの真空管のストックと、見事に整理されて大切に保存されている雑誌の数々だった。そこの片隅に、五味 康祐の「オーディオ巡礼」の初版をみつけたときには、なるほどと思ったりもした。
ステレオサウンドの最新号に、上杉さんの姿はなく心配していたのだけれど、こんなことになるとは、想像もしなかった。いま、そんなことを知りもしない僕の上杉アンプはいつものように、タンノイを見事に奏でている。それゆえに悲しみはさらに深い。

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