2010年8月23日月曜日

アニメイヤ~ジブリ・ソングス メイヤ (AniMeja Ghibli Songs ~ Meja)

「クレイジー」や「オール・バウト・ザ・マネー」などのヒットで、カーディガンズ等と共に90年代の音楽シーンを賑わしたスウェディッシュ・ポップ・ムー ヴメントの中心的存在だったシンガー、メイヤの5年ぶりのアルバム。日本ではトータル200万枚以上のCDセールスを記録した90年代を代表する女性シン ガー、メイヤ。老若男女問わず誰もが知る数々の名曲を、“クリスタル・ヴォイス”と謳われたその歌声でスウェディッシュ・ポップ・チューンへ変幻させるの だが・・。

アニメイヤ~ジブリ・ソングス
メイヤ


こちら
で一部試聴できます


1. となりのトトロ (「となりのトトロ」より)
2. Arrietty’s Song (「借りぐらしのアリエッティ」より)
3. もののけ姫 (「もののけ姫」より)
4. ルージュの伝言 (「魔女の宅急便」より)
5. テルーの唄 (「ゲド戦記」より)
6. 君をのせて (「天空の城ラピュタ」より)
7. 崖の上のポニョ (「崖の上のポニョ」より)
8. 風の谷のナウシカ (「風の谷のナウシカ」より)
9. カントリー・ロード (「耳をすませば」より)
10. いつも何度でも (「千と千尋の神隠し」より)
11. 世界の約束 (「ハウルの動く城」より)

メイヤのジブリソングス集。なつかしいメイヤの歌声に惹かれるも、やや単調なアレンジの連続が、せっかくの企画をちょっと惜しい感じに。それにしても、世 はアニメソングばやり。アニソンはもはや日本のコンテンツ輸出商品ともいわれるが、まさにその時代の現れの一端なのだろう。

つづきはこちら↓
http://bit.ly/bkeF16

2010年8月22日日曜日

エピファニー/チャカ・カーン  EPIPHANY CHAKA KHAN

ただただ圧倒されるボーカル・アルバム。ジャズ・アルバムというべきなのだろうが、歌手はあのチャカ・カーン。「ベスト」と名付けられただけあって、まさ にベスト中のベスト。チャカ・カーンにとってのベストというだけでなく、女性ボーカルのまさにベストといってもいい出来。文句なしに満足度満点だ。

エピファニー EPIPHANY
チャカ・カーン CHAKA KHAN


1. エイント・ノーパデイ
2. ホット・バタフライ
3. テル・ミー・サムシング・グッド(ライヴ)
4. フィール・フォー・ユー
5. あなたに夢中
6. アイム・エヴリ・ウーマン
7. ラヴ・ミー・スティル
8. エンド・オブ・ア・ラヴ・アフェア
9. 永遠のメロデイ(チュニジアの夜)
10. スルー・ザ・フアイア
11. 恋のハプニング
12. エヴリホエア
13. ネヴァー・ミス・ザ・ウォーター
14. サムシン・ディープ
15. ユア・ラヴ・イズ・オール・アイ・ノウ
16. エヴリ・リトル・シング
17. イット・エイント・イージ・ラヴィン・ミー*Bonus Track

圧巻は、「チュニジアの夜」。すごい。ジャズナンバーでありながら、圧倒的な歌唱力にただただ敬服させられる。もちろん、心地よいグルーブ感は、 チャカ・カーンならでは。中間部のハービー・ハンコックのキーボードも素敵だし、間奏開けの彼女の強烈な高域の声は、何度聴いても、全知全能の神のよう だ。

他にも、古典的な鋭いアタックを効かせた「Ain’t Nobody」や、ターンテーブルを強調した大ヒット曲「I Feel for You」、「I’m Every Woman」のオリジナルの賛美歌ヴァージョン、ムードあふれる「Through the Fire」、ミシェル・ンデゲオチェロと共演した1996年の「You Never Miss the Water」も聴ける。とにもかくにも素晴らしいアルバム。

つづきはこちら↓
http://bit.ly/b8htIm

2010年8月21日土曜日

11PM~ハモンドオルガンの魅力 小曽根実トリオ[1969]

小曽根実さんです。小曽根真さんではなく、小曽根真さんのお父さんです。
ハモンド・オルガンの第一人者、小曽根実が、自ら出演していた人気番組「11PM」のテーマや60年代邦洋のヒット曲をオルガン・トリオにアレンジしたレア・アイテムです。

11PM~ハモンドオルガンの魅力
小曽根実トリオ

こちらで一部試聴できます


1. テーマ
2. 悲しき天使
3. 白い恋人たち
4. マンチェスターとリヴァプール
5. サウンド・オブ・サイレンス
6. ホワイト・ルーム
7. サイモン・セッズ
8. グッド・ナイト・ベイビー
9. ブルー・ライト・ヨコハマ
10. 帰り道は遠かった
11. 涙の季節
12. スワンの涙
13. 雨の赤坂
14. ありがとうあなた
15. アップ・アップ・アンド・アウェイ (未発表ボーナス・トラック)

小曽根実トリオ:小曽根実(org)、奥村英夫(g)、西野邦夫(ds)
1969年録音

11PMと題されただけあって、その当時の空気感が伝わってきます。小曽根真さんが彼自身、最初はオルガンから学んだと語っていた記憶がありますが、お父さんのハモンドは、なかなか甘くていいのです。もてたでしょうねえ。
解説は、なんと藤本義一さん。いいなあ。関西の楽しい、いい香りがぷんぷんとしています

つづきはこちら↓
http://undecuplet.wordpress.com/2010/08/21/11pm/

2010年8月20日金曜日

最高最強のバンドサウンド・・・ミント・コンディション クレイジーケンバンド

ケンさんのニューアルバム。CDはもちろん納得の出来だが、DVD OMAKE!!! ~ OFFICIAL BOOTLEG LIVE DVD の完成度がなんといっても素晴らしい。もう絶句・・・。


ミント・コンディション
クレイジーケンバンド


■CD
1.1107 -album version-
2.Mint Condition
3.シンガプーラ
4.Hong Kong Typhoon
5.Body Talk
6.Hideaway
7.eye catch -めくるめく世界-
8.Revolution Pop
9.MOTTAINAI
10.磨き
11.ヨコスカン・ミラクル
12.ステーション・ワゴン
13.Revolution Funk
14.eye catch -from editor-
15.仮病
16.漢江ツイスト
17.無条件
18.eye catch -negishi jocky club-
19.Merry Christmas 4-093
20.シャンタン
21.地層


■DVD 収録(BIGCAT OSAKA 2010.6.18)
1. Intro|長者町ブルース
2. ハマ風
3. 零
4. 新曲CDちょい聴かせコーナー~Hong Kong Typhoon/仮病/シンガプーラ
5. リクエストコーナー(路面電車)
6. スージー・ウォンの世界
7. ガールフレンド

8. 1107 (PV) (LIVE VIDEO Ver.) (BONUS VIDEO TRACK)
/ 歌と演奏:クレイジーケンバンド / 作詞:横山健 / 作曲:横山健 / 編曲:Ken Yokoyama / 編曲:小野瀬雅生 / ホーンアレンジ:Wakaba Kawai / オーケストラアレンジ:高橋利光 / コーラスアレンジ:Ken Yokoyama

大阪ライヴの収録。すべてがファンのために・・そのこころづかいが隅々にまでいきづいた構成・演出。そして、ライヴとは思えないほどの素晴らしいミックス。映像は非ハイファイ路線になっているが、音はすばらしく高品質に収録されていて、これでライブ音源とは恐れ入る。

ケンさんの唄だけでなく、キーボード・プレイの絶品さ、そしてラテン・パーカッションのグルーブ感。まったくもって大人のサウンドの真の王道だろ う。ケンさんがいつものごとく軽やかに演じながらも、演奏は超一級。かつてのCTIサウンドを現代日本流にアレンジしたとでもいおうか、この味わいは、ま さにクレイジーケンバンドならではのもの。

クレイジーケンバンドの立ち位置をメジャーと表すべきかどうかはわからないが、とにもかくにも日本における図抜けた最高のバンドだろう。その凄みが楽しめる。

つづきはこちら↓
http://bit.ly/9HLFVn

2010年8月19日木曜日

ブルース・アレイ・ジャパンのライヴは超満員だっとか・・ ジャンクフジヤマ JUNKTIME

ジャンクフジヤマが元気だ。先日のブルース・アレイ・ジャパンでのライブにいけなかったけれど、超満員だったらしい。

ジャンクタイム
ジャンク・フジヤマ


こちら
で試聴できます

1. 秘密
2. 魅惑の唇
3. モノクロ
4. パズル
5. もう一度
6. サムタイム
7. 産業道路
8. トロピカル
9. 122
10. ゆっくり歩こう(スタジオ・ヴァージョン)

ジャンクフジヤマとは、amazonによれば・・

大学時代、バンド「ハヤオキ×」を結成、路上ライヴを皮切りにライブハウスでの活動を行う。バンド解散後、ソロ活動を開 始。2009年4月、ミニ・アルバム、「A color」リリースし、シティ・ポップのホープとして注目を集める。アルバムを聴いたスーパー・ドラマー、村上“ポンタ”秀一がその歌声に惚れ込み、 ジャンクをサポートすべく、スペシャル・バンドを結成。同年11月と翌年1月に目黒ブルースアレイにてワンマン・ライブ開催。その伝説のパフォーマンスを 収録したアルバム「ジャンクタイム」を4月29日タワーレコード先行でリリース。1ヶ月間JAZZ セールス・ランキングでトップをキープし、新人ながら記録的なセールスを更新中。モットーは人に優しく、趣味は旅行、格闘技。

このアルバムもブルース・アレイ・ジャパンでのライブ収録版。ライヴ収録でのこのクオリティというのは驚くばかりだ(ダイナミックレンジがもうすこ しあれば申し分ないが)。アルバムの演奏では、曲のグルーブ感は、ドラムスとベースがリードする感じで形成されているが、彼の高域がたっぷりとでる歌唱力 が、全体としての魅力を確実にひきあげている。

僕のお気に入りは、2曲目の「魅惑の唇」。切れ味のよいドラムスが、軽快な曲調とあってジャンクらしさが爆裂している。彼自身のオリジナリティと、山下達 郎リスペクトという彼のイメージとの葛藤がもうしばらくの間はつづくのだろうが、この「魅惑の唇」などを聴くと、オリジナルの方向性の回答がすでに示され ている気がする。

つづきはこちら↓
http://bit.ly/cVL3Ru

2010年8月18日水曜日

アニメンティーヌ/クレモンティーヌ ANIMENTINE Clementine

あのフランスポップスのクレモンティーヌによる、アニメソングス集。ブルーノートには珍しく昼間公演実施でも話題になった彼女だが、このアルバムも、家族 で楽しめるハッピーな出来映え。


アニメンティーヌ ANIMENTINE
クレモンティーヌ Clementine

こちらで一部試聴できます


1. ラムのラブソング (アニメ『うる星やつら』OP)
2. バカボン・メドレー
3. 崖の上のポニョ (アニメ映画『崖の上のポニョ』主題歌)
4. おどるポンポコリン (アニメ『ちびまる子ちゃん』OP)
5. 風の谷のナウシカ (アニメ映画『風の谷のナウシカ』シンボル・テーマ・ソング)
6. はじめてのチュウ (アニメ『キテレツ大百科』ED)
7. ロマンティックあげるよ (アニメ『ドラゴンボール』ED)
8. サザエさん・メドレー
9. ドラえもんのうた (アニメ『ドラえもん』OP)
10. とんちんかんちん一休さん (アニメ『一休さん』OP)
11. タッチ (アニメ『タッチ』OP)
12. CAT’S EYE (アニメ『キャッツ・アイ』OP)


クレモンティーヌは、どちらかといえばアンニュイなフレンチなボサノヴァで活躍していて、日本にもよく来日していが、日本びいきが高じてこのような展開に なったのか・・理由はさておき、聴いてみるとプロデューサーの狙いに見事にはまってしまっていることに気づく。

特におすすめは、「おどるポンポコリン」「風の谷のナウシカ」「サザエさん・メドレー」。ポンポコリンは、元々の近藤房之介の声がなかなかしぶくて よかったが、サンバになって見事にモデルチェンジ。サザエさんでは、アレンジがなかなか凝っていてアルバムにアクセントを上手につけている。

つづきはこちら↓
http://wp.me/pMonj-lP

2010年8月17日火曜日

北海道ツアー まっしぐら?  山下達郎 希望という名の光

達郎さんのツアーは、だいぶ佳境に入ってきて、いまは北海道公演中とか(8月16日(月)・17日北海道ニトリ文化ホール、8月20日(金)函館市民会館)。東京のこの異常な暑さを思うと、北海道まで追っかけできいてみたかったとも思う今日この頃・・。

さて、「ずっと一緒さ」「僕らの夏の夢」に続くバラード三部作の完結編となる新曲「希望という名の光」は、2010年G.W全国公開の映画「てぃだ かんかん – 海とサンゴと小さな奇跡 -」の主題歌。また「Happy Gathering Day」はケンタッキー40周年記念テーマソング。

希望という名の光
山下達郎

1. 希望という名の光 【映画「てぃだかんかん-海とサンゴと小さな奇跡-」主題歌】
2. Happy Gathering Day 【ケンタッキー40周年記念テーマソング】
3. 希望という名の光(Original Karaoke)
4. Happy Gathering Day(Original Karaoke)

「希望という名の光」は、素敵なスローバラード。ある種の山下達郎の本流である唄だ。カップリングの「happy gathering day」はちょっとポップなスタイル。いつもながらのちょっと裏返った高声部の使い方がとても山師達郎節で、素敵だ。さわかな気分にさせてくれる。

つづきはこちら↓
http://wp.me/sMonj-1334

2010年8月12日木曜日

my classics  平原綾香

平原綾香の声を聴くとふしぎな気持ちにとらわれる。裏返ったようなそれでいてきちっとコントロールされたクールな響き。女声であることが魅力でありなが ら、やさしさというよりはもっと遠視眼的な広い包み込みを感じさせる。特にむずかしく思われるほどの低音の抑制のきいたコントロールは、ちょっと冷や冷や させながらも、山道でスピードにのってうまくカーブを抜けたような爽快感させ感じさせる。

my classics!
平原綾香

こちらで一部試聴できます


1. pavane~亡き王女のためのパヴァーヌ
2. ミオ・アモーレ
3. カンパニュラの恋
4. ロミオとジュリエット
5. シェヘラザード
6. Moldau
7. 仮面舞踏会
8. AVE MARIA
9. 新世界
10. シチリアーナ
11. ノクターン
12. Jupiter

タイアップや、TV番組のエンディング曲に多数使われているのが、アルバムのクレジットをみるとわかる。日本語でいて、中性的でいて、ある感情を抑 制をもった彼女の曲が、番組制作者たちが、何かの思いを仮託するのにとても便利に感じているのもうなずける。「カンパニュラの恋」「ノクターン」は『風の ガーデン』を思い起こさせるし、「新世界」が呼び起こす「NEXT DOOR」のイメージもぴったりだ。

アルバム構成でみると、1曲目のラヴェルの「亡き王女のパヴァーヌ」からして、まさに平原節。「モルダウ」のアレンジも巧みだ。好き嫌いは分かれるかもし れないが、彼女が現状、ある種唯一無二のポジションを確立しているのはまちがない。そして、それはとてもチャーミングにうつる。

つづきはこちら↓
http://wp.me/pMonj-lp

ヴォーカリスト4 徳永英明

ふしぎなアルバムである。なつかしいというか、新鮮というか。歌謡曲の味わいでイントロが始まるが、かつての歌謡曲としては録音がよくふしぎな気持ちにと らわれていると、徳永さんのボーカルが美しくセンターにきこえてくる。

ヴォーカリスト4
徳永英明

1. 時の流れに身をまかせ (作詞:荒木とよひさ 作曲:三木たかし)
2. 赤いスイートピー (作詩:松本 隆 作曲:呉田軽穂)
3. First Love (作詞/作曲:宇多田ヒカル)
4. 翳りゆく部屋 (作詞/作曲:荒井由実)
5. セーラー服と機関銃 (作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお)
6. 誰より好きなのに (作詞/作曲:古内東子)
7. あばよ (作詞/作曲:中島みゆき)
8. 月光 (作詞/作曲:鬼束ちひろ)
9. やさしさで溢れるように (作詞:小倉しんこう/亀田誠治 作曲:小倉しんこう)
10. 未来へ (作詞/作曲:玉城千春)
11. 待つわ (作詞/作曲:岡村孝子)
12. あの鐘を鳴らすのはあなた (作詞:阿久悠 作曲:森田公一)
13. 未来予想図 (作詩/作曲:吉田美和)

徳永さんの持ち味であるが、彼の歌詞の表現力は素晴らしく、ほとんどの曲において原曲より歌詞がきちんと伝わってくる。作詞家冥利なアルバムかもしれな い。それにしても「赤いスイートピー」「セーラー服と機関銃」「待つわ」ときいていると、ある時代をなつかしく感じ、わたしたちは、明らかにいま異なる時 間に生きているのを感じることになる。

つづきはこちら↓
http://wp.me/pMonj-li

2010年8月7日土曜日

聖地、厚木に集まった濃いい人々~山下達郎2010ライヴツアー初日

今日は山下達郎。
ツアー初日。
お約束のように開演は18時半と早い。地方興行のときはもっと早いときがあるらしい、ときく。とにもかくにもたっぷりやるためには、早くはじめなければならない、というのが彼の理屈。

今年57歳になる達郎だが、今から10年ほどまえ、ツアーをするときに、もうこれが年齢的に最後になるかもしれない、と本人が考えた時があったとい う・・・特に青森や北見に訪ねたとき、もうここにくるのも最後・・と思ったら、いてもたっていられなくなり、1曲でも多くこの地の人に聴いておいてもらい たい、と考え、長時間ライヴになったとか。

それ以来伝統のごとく3時間を切ったためしがない。休憩なし。なのでトイレ自由。「いつでも好きなときに行ってください」の前口上がつくときもある。
厚木はいつから聖地になったのだろう。ここ数回ツアーの初日は厚木文化会館である。本厚木駅から10分強歩く国道129沿いのいわゆる地方会館。ここに今回もところせましとセットが組まれ、定刻にはぎっしりの顧客が集まった。
何せ来た人たちのほとんどはリピーター。濃い。開演を伝える一ベルが鳴るとそれだけで拍手。開場がやや暗くなりはじめるとそれだけで拍手。本人が登場する前に、もう異様にもりあがっている。

ライヴ内容といえば、彼の往年のヒット作品のオンパレード。泣ける曲の多いこと。57歳にして、これだけの曲をよく歌いつづけられる・・という声の 張り、そして、もちろん、プロンプターも見当たらず、譜面をみることも一切ない。相変わらずエレキには、音質のためワイアレスを用いず、今回は彼自身によ るエレピ演奏の披露もあった。

暗黙のうちのお約束ごとが多いので、はじめての方にはとまどうことも多いかもしれないけれど、途中ファンの多くがクラッカー持参の1曲はもちろん披 露されたし、「アトムの子」まではスタンディングをしない・・という伝統もほとんど守られた(ひとり立ち始めるとみんな釣られて立つのが多くのコンサート だが、彼の場合は、立った人に多くの観客の視線が訴えかけ座らざるをえなくなる)。

ヴォーカル&ギター;山下達郎
ドラムス:小笠原拓海
ベース:伊藤広規
キーボード:難波弘之
キーボード:柴田俊文
ギター:佐橋佳幸
サックス:土岐英史
コーラス:国分友里恵
コーラス:佐々木久美
コーラス:三谷泰弘


なんて贅沢な布陣なのだろうと思う。バンドメンバーがここのところ固定になって快進撃がつづいている。昨年から参加しているドラムスの小笠原さんはとてつ もなくいい。とっても若いのに、完全にチームを引っ張っている。グルーブ感といい、達郎組にはもはや欠かせぬひとり。難波さんもいつもの感じだし、ベース の伊藤さんもベテランの味わい。還暦を迎えられたという土岐さんのサックスもあいかわらず泣かせるし、三谷さんはスターダストレビューの三谷さんだし、 コーラスに至るまで贅沢なことはお名前をみていただければわかるだろう。

それにしても何から何まで濃い3時間だった。これが毎日つづくというのは、きっと何か麻痺してしまうだろうと思うけれど、そうして生きている57歳というのもやはり凄い。

つづきはこちら↓
http://wp.me/pMonj-l8

2010年8月6日金曜日

In a state of jazz / Marc-André Hamelin (マルク=アンドレ・アムラン イン・ア・ステイト・オヴ・ジャズ)

ジャズ風にと名付けられたこのアルバム・・アムランの現在発売されているアルバムの中で、最高傑作のひとつでしょう。ハイペリオン(hyperion)か ら発売されているこのアルバム、アムランの他のアルバム同様いつもながらの軽やかなピアノに、超絶技巧を必要とされている曲ということを忘れてしまうほど に、ここちよいピアノソングとしてきくことができます。

In a state of jazz
Marc-Andr? Hamelin


こちら
で試聴できます


1. Exercise No. 1 from Play Piano Play (Freiderich Gulda)
2. Allegro molto (Sonata No. 2, Op. 54 – Nikolai Kapustin)
3. Scherzo: Allegro assai
4. Largo – Allegro
5. Allegro vivace
6. Exercise No. 4 from Play Piano Play -Allegro ma non troppo (Gulda)
7. Evocation d’un tango (Sonata in a state of jazz- Alexis Weissenberg)
8. Remininscence d’un charleston
9. Reflets d’un blues
10. Provocation de samba
11. Exercise No 5 from Play Piano Play- Moderato poco mosso (Gulda)
12. Prelude and Fugue (Gulda)
13. Coin de rue (6 arrangements of songs sung by Charles Trenet – Alexxis Weissenberg)
14. Vous oubliez votre cheval (Trenet and Brachlianoff)
15. En Avril a Paris (Trenet and Eiger)
16. Boum ! (Trenet)
17. Vous qui passez sans me voir (Hess & Misraki)
18. Menilmontant (Trenet)
19. Jazz Sonata – (George Antheil)

カプースチンも、作曲者本人がプレイするときのようなちょっとごつごつとした感じは一切が払拭され、いわばクラシック音楽の小組曲になっていますし、ワイ センベルグの曲も「ジャズ・ソナタ」という名前はついているものの、耳心地がよいクラシックの小品という味わい。唯一グルダに関しては、彼自身がジャズマ ンとして活躍していた側面もあることから、彼の残したこの作品もややジャズ風な味わいのあふれたものとなっています。いずれにも、この夏に聴くには本当に きもちいい涼風のようなアルバム・・ぜひ試聴をしてみてください。

つづきはこちら↓
http://wp.me/pMonj-l3

2010年8月5日木曜日

To Jobim With Love TONINHO HORTA (トニーニョ・オルタ)

夏は、トニーニョ・オルタである。暑ければ暑いほど彼の音楽がこころにしみる。いい感じにクールなのだ。特にこのアルバムは、アントニオ・カルロス・ジョ ビンのなつかしい空気がとてもおちついて、それでいて現代的にアレンジされている。

To Jobim With Love
TONINHO HORTA

こちらで試聴できます


1. Agua de Beber
2. Portrait in Black and White
3. If Everyone Was Like You (Se Todos Fossem Iguais a Voc?) 5:15
4. From Ton to Tom (Silent Song) 4:45
5. Cristiana 4:38
6. Meditation (Medita??o) 4:35
7. No More Blues (Chega de Saudade) 6:08
8. Infinite Love 4:00
9. Promises I Made (Promessas Que Eu Fiz) 4:54
10. Modinha 3:30
11. The Girl from Ipanema (Vignette)0:40
12. Without You (Sem Voc?) 3:30
13. Desafinado

暑ければ暑いほど沖縄にいきたいなと、思い出す。とてつもない青空と強い光線の中、草ぼうぼうの中に一軒残る米軍キャンプのはらいさげ住宅のような 光景の中で、暑さゆえに時間が動かないようなそんなところで、誰がきいているかわからないように、ラジオから流れている音楽・・だが、それはクールなジャ ズ・・・そんな光景にぴったりとあう音楽でしょうか・・。

暑さが人間を狂気に変えるとしたら、ある意味でその対極にある知的に静かなるサウダージにひきこむ音楽なのです。

つづきはこちら↓
http://wp.me/pMonj-kX

2010年8月3日火曜日

You must believe in spring Bill Evans(1970)

ビル・エヴァンスの最高傑作のひとつでしょう。Eddie Gomez のベース、Eliot Zigmund のドラムス・・。いい感じのベース、ドラムスが大人のジャズの姿をみせてくれるのです(結局、ゴメスが参加した最後のアルバムとなりました)。彼が没する 3年ほどまえの1977年の8月にハリウッドのキャピトル・スタジオでの録音ですが、実際に発売されたのは1980年。この前年には夫人を亡くし、この年 には兄のバリーが自殺したという哀しい日々・・そのせいもあるかもしれませんが、とてつもなくリリカルで、それでいて端正な美しさの満ちたアルバムです。

You must believe in spring
Bill Evans


1. B Minor Waltz (For Ellaine)
2. You Must Believe In Spring
3. Gary’s Theme
4. We Will Meet Again (For Harry)
5. The Peacocks
6. Sometime Ago
7. Theme From M*A*S*H (aka Suicide Is Painless)
8. Without A Song
9. Freddie Freeloader
10. All Of You


すべてが一貫してビル・エヴァンスですが、なかでもおすすめなのが、タイトル曲でもある、ミシェル・ルグランの名曲、「 You must believe in spring 」。それに原曲のサウンドトラックより数段渋くなったけれど、それでもペーソスの空気が見事に奏でられている「マッシュのテーマ」でしょうか・・。

つづきはこちら↓
http://wp.me/pMonj-kS

2010年8月2日月曜日

不安の中に手を突っ込んで 槇原敬之

20周年記念BEST にひきつづき、発売された槇原敬之の最新アルバム。トレードマークとも言える“ラヴソング”に加え、近年ライフワークにしている“ライフソング”がより充 実した1枚となっています。

不安の中に手を突っ込んで
槇原敬之


こちら
で一部試聴できます

1. 夜空にピース
2. 幸せの鍵を胸に
3. 冬のコインランドリー
4. ビオラは歌う
5. フルサト
6. YOU GOTTA BE
7. 不安の中に手を突っ込んで
8. ムゲンノカナタヘ~To infinity and beyond~
9. In love again?
10. おさらばだ

本人コメントはこんな感じに・・

タイトル『不安の中に手を突っ込んで』に込めた思いとは?

僕もデビュー20周年を迎えましたが、この20年、自分を鍛えて進化させてくれたものってなんだろう? って考えると、それって“不安”なんですよ ね。不安を乗り越えたときに、必ず1歩、自分が前に進めてるんです。映画でも、いちばん息をのむ見どころって、主人公がピンチのときじゃないですか。それ をどう切り抜けて、成長できるか。不安だからって何もしないんじゃなくて、むしろそれは神様がくれたチャンスなんじゃないかと。そんな思いを込めて作りま した。ぜひ聴いてください。


01.
夜空にピース
みなさんにも、恋人や家族、大切な人に対して、「なんで あんなことしちゃったんだろう」ってことはないですか? 僕にもありました。こんなにいつまでもクヨクヨするならと、それを歌にして、自分を変えてしまお う! と作った曲です。

02.幸せの鍵を胸に
人と比べて、「自分はこの人より幸せじゃない」なんて思うことは、すごくばかげていますよね。人間はそれぞれ、幸せになるきっかけを持って生まれてきてい るんだということを、みんなに信じてほしいなと思って作りました。

03. 冬のコインランドリー
誰にでも、何気ない、大好きな景色があると思います。僕は冬の日にコインランドリーに行くのが好きで、よく犬を連れて行っていました。こういう自分が愛お しいと思う景色をちゃんと歌おうと、すごく基本に立ち返って作った曲です。

04.ビオラは 歌う
ビオラという楽器はあまり目立ちませんが、僕は好きです。その音がパッとなくなった瞬間に、オーケストラの音はバラバラにほどけて しまうんですね。「NHKみんなのうた」のために作りました。みなさんにどう感じてもらえるか楽しみです。

05.フルサト
新 しい人生のために家を出る、または精神的に自立して、故郷から離れると、そこでまた、無二の親友や心から信頼できる上司に出会うことがあります。そんな自 分にとって大切な第2の故郷を、「フルサト」と表しました。もともとは夏川りみさんのために作った曲です。

06.YOU GOTTA BE
1994年ごろヒットした、大好きな曲です(原曲はイギリスの女性シンガー、デズリーの大ヒット曲)。僕はどうしてもこの歌を忘れたくないなぁと思ってい て、今回、これは運命じゃないかと思えるくらい、まさにこのアルバムのテーマと同じことを歌っていたので、満を持してカバーさせてもらいました。

07.不安の中に手を突っ 込んで
きっかけは、たまたま地方で見たテレビ番組で、若い人が「不安で子どもが持てない」と言うのを聞いたことでした。「じゃあ戦国時代とかどうすんの!?」 と。みんなを思いっきりファンキーに応援したいなと思って作ったタイトルチューンです。

08.ムゲンノカナ タヘ~To infinity and beyond~
わが家の犬は、どれだけ高いさくを作っても、それをすぐにこえて、僕の大事なメガネをバキバキにかんでしまいます。ちょっとあきれて彼の目をのぞき込んで 見ると、本当に満足げで、キラキラしている。それって何なんだろう? と思ってできた曲です。

09.In love again?
今年41才になる、僕らしいリアルなラブソングが作りたいなと 思って書きました。41才の男がすごく若い女の子に恋をするという、なかなかせつない、考えようによってはヤバい歌ですが(笑)、意外に20代のスタッフ に人気があるので驚いています。

10.おさらばだ
実はこれ、シングル『赤いマフラー』のカップリングナンバー『お元気で!』の原曲です。最初に作ろうと思ったときの詞なので、届きやすいかもしれません。 東京スカパラダイスオーケストラのみなさんが心を込めて演奏してくれて、最高のスカナンバーになりました。

全編、あいかわらずの槇原節。サビのところは、常にメッセージ性にとんでいて、その意味である種の王道感にあふれています。コード進行は、どこかな つかしく歌謡曲の伝統といえばそうなのかもしれませんが、常に詞が日本語としてわかりやすい抑揚になっていて、槇原さんならではのプロ手腕を感じるところ です。


つづきはこちら↓
http://wp.me/sMonj-makihara