2010年11月3日水曜日

『シェエラザード』 ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ~パリ管弦楽団

なんて、豊穣なシェヘラザードなのだろう。
ロストロボーヴィッチの指揮になるこのパリ管の「シェヘラザード」のようなものこそ、名演と呼ぶのだろうと思う。


リムスキー=コルサコフ:交響組曲『シェエラザード』 作品35

パリ管弦楽団
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(指揮)

録音時期:1974年
録音場所:パリ、サル・ワグラム
録音方式:ステレオ(セッション)
こちらで一部試聴できます


シェヘラザードは千一夜物語をもとにつくられたものだが、バレエ組曲の「白鳥の湖」のように、とても映像的な、あるいみ具象的な音楽においては、演奏者によるその品性のようなものが、結果として問われることが多くある。
このロストロ盤の素晴らしいところは、そのような評論家のような人々の視線に対し、あえて大仰というか、メリハリ強く、土着的な匂いを存分に醸し出 しているところである。いわゆるタメが強烈に深くとられていて、大衆的聴衆の思うまさに欲しい抑揚がこれでもか、というほどに効いているところが、本当に 素晴らしくいいのだ。そして、パリ管の色彩。

0 件のコメント:

コメントを投稿