かつてヨーロッパでは「コンポーザー=ピアニスト」という言い方があって、彼らは超絶的な技巧を必要とする作品を自ら作曲し、これを演奏することで知られていました。
リスト、ショパン、ルビンシテイン・・・etc。そして現在では、やはりフランス系カナダ人ピアニスト、マルカンドレ・アムラン(Marc-Andre Hamelin 1961 – )こそがまさしくコンポーザー=ピアニストそのものなのでしょう。 今回の1枚は、「短調による12の練習曲」「小さなノクターン」「コン・インティミッシモ・センティメント」からの5曲からなる自作自演集です。
短調による12の練習曲 マルク=アンドレ・アムラン
『短調による12の練習曲』 ・第1番イ短調「トリプル・エチュード」(ショパンの練習曲による) ・第2番ホ短調「昏睡したベレニケ」 ・第3番ロ短調「パガニーニ~リストによる」 ・第4番ハ短調「無窮動風練習曲」(アルカンによる) ・第5番ト短調「グロテスクなトッカータ」 ・第6番ニ短調「スカルラッティを讃えて」 ・第7番変ホ短調「チャイコフスキーの左手のための練習曲による」 ・第8番変ロ短調「ゲーテの魔王による」 ・第9番ヘ短調「ロッシーニによる」 ・第10番嬰ヘ短調「ショパンによる」 ・第11番嬰ハ短調「メヌエット」 ・第12番変イ短調「前奏曲とフーガ」 『小さなノクターン』 『コン・インティミッシモ・センティメント~最も親密な思いをこめて』より ・第1番:レントラーI ・第4番:アルバム・リーフ ・第5番:オルゴール ・第6番:ペルゴレージにちなんで ・第7番:子守歌 『主題と変奏』(キャシーズ・ヴァリエーションズ)
構想、作曲に約25 年という歳月を費やしたというだけあって、素晴らしい出来映え。人間業とは思えぬ超絶技巧で、アルカンやゴドフスキー、カプースチンなどのいままでの超難曲とも違って、さらに奥深い興趣深い作品群となっています。 さらなる難曲として生まれ変わった「ショパン・エチュード」や「ラ・カンパネラ」、そしてまったくの自作の「グロテスクなトッカータ」や「前奏曲とフーガ」など、” アムランが弾くアムランの音楽” が、まさにピアノ世界の拡張をそこに示しているかの感覚を与えます。
また「12 の練習曲」だけでなく、フィアンセのキャシー・フラーに贈るメッセージでもある「主題と変奏」など、アムランによるアムランの音楽も存分に楽しめるところも、サービス精神満点。
つづきはこちら↓
http://wp.me/sMonj-hamelin
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