2010年6月12日土曜日

王道のショパンの極み:ツィメルマン来日公演 よこはまの夜

結局、ツィメルマンをどうしても聴きたくなって、横浜みなとみらいホールに馳せ参じたのでした。当日は、今年の年中行事とでもいうべきショパンプログラ ム。いや、期待に違わずすばらしい、これぞ本物のショパンというべき、素晴らしい演奏でした。

クリスチャン・ツィメルマン
2010.6.11 横浜みなとみらいホール


ノクターン 第5番
ピアノ・ソナタ 第2番 「葬送」
スケルツォ 第2番


バラード 第4番
ピアノ・ソナタ 第3番


ショパンは、軽やかなもの・・というイメージがどこかにあるかもしれませんが、そういった柳のようなショパンを演じるひともあれば、ツィメルマンのように 堂々と構造的に見事に完成された楽曲として提示する人もいます。当日のツィメルマンの演奏はまさに、その見本のようなもの。
なかでも、あの「葬送」が、なんとも見事なパッケージでした。消え入るような弱音から、細やかな運指、それと全体骨格をうたう部分・・・2000人のホー ルのすべての客に、誰にも伝わるような見事なパフォーマンスなのです。ピアノが大きく見えたとでもいえばいいでしょうか。

ツィメルマンだからこそできるのでしょうが、自らのピアノを持ち込み、最良の状態で、最良の音楽を奏でる。その演奏に対する完全主義的な求め方のレ ベルが他のアーティストと比較しようのないほどに、迫力が伝わってくるのです。


そのツィメルマンも、朝日新聞での彼へのインタビューを見ると、来年は休業だとか。

来年は公の演奏活動を休止し、長期休暇をとる。「音楽以外の理由があるが、それは話せない。実は、教会やバーでも弾いてみ たいんだ。ジャズとか」と話 す。

バーゼル周辺に点在する村々の教会を会場に小さなリサイタルを開くことがある。「今、これが弾きたい」と感じた音楽の魅力を聴衆と共有したいとい う。

「大きなコンサートだと、結婚式みたいに計画から本番まで2年もかかる。時間とともに音楽への『恋愛感情』が薄れるのは嫌なんだ」
彼の聴衆への気持ちがとてもわかるとともに、ツィメルマンのがふらりと弾くジャズをぜひきいてみたくなりました。

つづきはこちら↓
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