アマゾン(amazon)のこの第一四半期の売り上げが、前年同期比68%増とか。キンドル(kindle)も昨年のホリデーシーズンに驚異的な販売数を記録し、一説によれば、通常の書籍売り上げに比べ、電子書籍の売り上げの方が多かったと もいわれています。
よく考えてみれば、キンドルを購入する人は本好きに違いなく、キンドルの便利さ、電子書籍の安価さを考えれば、ある臨界値を超えたら自動的にキンドル版の 売り上げが上回ることは自明かもしれません。ましてや、iPadでもキンドル・書籍を読むことができ、ウィ スパーシンクが利用できるとなれば、既存のキンドル・ユーザーは、たとえiPadであれ、このサービスを継 続的に利用するでしょうから、これからもアマゾンの売り上げに占める電子書籍の割合は上回りつづけることが予測される気がします。
ところで、電子書籍の普及は、出版業界の脅威だという人もいますし、またデジタルデータによるコピーの容易化で音楽業界と同様のダメージを受けるという人 もいます。音楽はMP3などの無料コピーによって、大きく影響をうけたのですが、では、書籍においてはどう なのでしょうか。実は、すでに、無料と「共存」しているというのが、正しい認識になるような気がしています・・すなわち図書館です。
図書館は、基本的には無料。図書館においては、本は「所有」することはできませんが、自らの意志があれば、本を借りたり、そこで読書したりすることがで き、「主体的体験」をすることができます。
ですから、音楽と同義的な意味で、その業界を心配するのであれば、そもそも 「図書館」と「書店流通」とのバランスなどについて考えるのが正しいのかもしれません。
図書館とは、一体いつからあるものなのでしょう。
世界史上早期の図書館として有名なものに、紀元前7世紀の、アッシリア王、アッシュールバニパルの宮廷図書館があります。アッシリア滅亡時に地下に埋もれたまま保存されたこの 図書館の粘土板文書群の出土によって、古代メソポタミアの文献史学的研究が大きく前進したとして知られています。
さらに下ってヘレニズム時代になると、紀元前3世紀のアレクサンドリア図書館が有名です。ここには薬草園も 併設されていて、今日の植物園のような遺伝資源の収集も行われていたといわれています。つまり、今でいう図書館、公文書館、博物館に相当する機能を併せ 持っていたのです。さらに、この図書館は、付近を訪れる旅人が本を持っていると、それを没収して写本を作成するというほどの徹底した資料収集方針を持ち、 古典古代における最高の学術の殿堂となっていたといわれます。
歴史的には、学術研究用に資料を集めた場として、学者や貴族以外の者は利用できなかったり、利用が有料であった時代が長くありました。グーテンベルクの印 刷術により本が大量生産できるようになって初めて「誰でも無料で」の原則が広まり始めたといわれています。
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